Exhibitions


2023

 

新直子展 片隅の真ん中

 

【会場】SOKO KAKAKA / 鹿児島

【会期】2023年11/18ー12/3

  音声ガイド (You Tube)

 

 

「世界は圧倒的な力で満ち 蠢き またたき 流れ 淀み かたちを変えながら循環するようなもの」 だと感じる

それはつまり 私を含め誰も決して把握することなど叶わないものだ

そんな世界の一面を 私たちはさらにそれぞれの角度から見ている

その不確かな中で私個人が確かに感じられると思うのは「自分自身の存在と 周りで移り変わる自然 営まれる生命」だ

それらはとても生々しく 逞しく 美しい

そして 私たちも確かにその一部なのだ

 

私は現在 不確かな世界を知ろうとしたり 感じられるものを確かめたりする行為として絵を描いているのだと思う

そして その「不確かな世界とその中に確かに感じられる生命」を画面上にも表現できたら幸いだ

 

 

今回の展示では「片隅の真ん中」というタイトルをつけた 

「片隅の真ん中」 というと「片隅」であることが前提のように聞こえるかもしれないが

「片隅」であり「真ん中」でもある 「片隅」でもなく「真ん中」でもない そんな意味合いを込めた

 

私は元々土地そのものに執着の薄い人間だと思っている

ただ 地元である鹿児島県薩摩川内市で個展を開催するにあたり 様々なことを考える中で 

私がとても大切に想う人達が暮らすこの場所は そういった意味でやはり特別な場所なのだと 改めて感じた

都心だろうと地方だろうと 自分だろうと他人だろうと 多数派だろうと少数派だろうと

あらゆる物事は等しくそこに在り たわいもなく 特別 なのだ

 

ふと目の端に映る風景を そばにある何気ないできごとを 普段は意識しないものを 「真ん中」として見てみる

それは 私が制作してきた行為と近しい

そのような視点で ひとつひとつの作品を そこに描かれているものを 眺めてもらえたら幸いだ